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作品レビュー

逃亡くそたわけー21才の夏

※10/20渋谷・Q-AXシネマにて、主演の美波さん・吉沢悠さん他の舞台挨拶決定!!

レヴュー

「おんぼろ車で九州の田舎町を駆け抜ける二人の前にひろがった暑い夏の物語 」…原作は『沖で待つ』で134回芥川賞(06年)を受賞した糸山秋子の『逃 亡くそたわけ』(講談社)。03年に『イッツ・オンリー・トーク』で文学界新 人賞、04年に『袋小路の男』で第30回川端康成文学賞を受賞。現代女性の深 層心理を描かせたら当代一!…今や中堅女流作家として赤丸売出し中の彼女の作 品だけに、地味ではあるが、なかなかの秀作である。

「私の21才の夏は二度と来んちゃもん。だけん、逃げないかんとって」…本 作のテーマは、このところ急増中の「躁鬱病」。テーマがテーマだけに、本来な らもっと沈んだ色合いの映画になるはずなのだが、花ちゃん(美波)、なごやん (吉沢悠)ふたりのマッタリとした明るいキャラクターも相俟って、実に爽快な 後味に仕上がっている。

「木下ほうか、吉野公佳、我修院達也、中島浩二、つぶやきシロー、ガッツ石松 、田中麗奈、大杉漣など脇役陣の演技は渋さ100%。…“2時間ドラマの旗手 ”と呼ばれる本橋圭太監督の期待にしっかりと応えているのはさすがである。  「紆余曲折はあるものの、ゆるりと癒されていく」…精神病院から脱走したふ たりが、患者の珍道中の果てに見つけたモノは何だったのか?…小粒ながら何故 かホッとする映画である。

(文・構成 和気 洸)

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