
国民性なのか、業界の慣習なのか、テレビのコント番組はともかく、パロディ映画は我国にあってはほとんど見かけないが、ハリウッドにあっては確固とした地位を築いている。古くは『フライングハイ』にはじまり、『ホット・ショット』『最終絶叫計画』『最“愛”絶叫計画』に至るまで、常に特定のジャンルをネタにパロディ映画が作られてきた。ややもすれば“パクリ”の謗りを受けかねないのだが、そこは奥行きの深いハリウッドのこと。大らかに、明るく、しかも低予算でそこそこの興行成績が上げられるとあれば、今後も多くの作品が生まれることであろう。
さて、本作は今やパロディ映画の第一人者の座を手中に収めつつあるジェイソン・フリードバーグ&アーロン・セルツァーの名コンビが、SFX満載のヒット作品群をパロディ化したものである。
今回、ターゲットにされた作品は、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』『チャーリーとチョコレート工場』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ダヴィンチ・コード』『スーパーマン』『X-メン』『ナチョ・リブレ 覆面の神様』『スネーク・フライト』『ハリー・ポッター』などだが、とにかく“原作”が大作だけに、パロディ化するのも簡単ではないはず。となれば、頼みの綱はそれぞれの役を任されたコメディ俳優たちの演技力だけなのだが、それに見事に応えているのが、主人公である若くない孤児に扮したエドワード役のカル・ペン、ピーター役のアダム・キャンベル、スーザン役のフォーネ・チェンバース、ルーシー役のジャイマ・メイズの4人をはじめ、ウイリー役のクリスビン・グローヴァー、タムナス役のエクトル・ヒメネス、ビンク役のトニー・コックス、アスロ役のフレッド・ウィラードの面々である。
これらいずれ劣らぬ芸達者たちによって繰り広げられる物語は、パロディ映画というより、まったく“別の作品”であるかのように観てしまうのは、さすがというほかない。
爆笑、爆笑、また爆笑…笑いは健康のもと!…日頃のストレスを吹き飛ばすにはもってこいの“お笑い満載のパンドラの箱”である。
(文・構成 和気 洸)
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