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作品レビュー

毛皮のエロス

毛皮のエロス

レヴュー

写真の概念を変えた伝説の女流カメラマン!…ダイアン・アーバスの生涯を描いた伝記映画である。

監督は『セクレタリー』で一躍、メジャー監督の座を射止めたスティーヴン・シャインバーグ。主演はアカデミー女優ニコール・キッドマン。…異色のゴールデン・コンビによる映画が面白くないはずもなく、100%文句なしの出来映えである。

実際のダイアン・アーバス(1923~1971)は、写真家のアラン・アーバスと結婚、NYでファッション写真家としてデビューしたが、その後被写体を「フリークス」(結合双生児・同性愛者・性倒錯者など精神的、肉体的に変わった人々)に転換。彼らこそが「真の貴族である」と喝破、当時の写真界に一大センセーションを巻き起こしたが、69年に離婚、71年に自殺、48歳の短い人生 を閉じている。

原作は『炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス』(パトリシア・ボズワーズ、1984)だが、本作品ではそれを忠実になぞるのではなく、離婚後のダイアンが、なぜフリークス一本という独自の領域に嵌まり込んでいったのか、シャインバーグ監督はその謎を推測を交えながら描写している。

“異形の写真家”に変身する彼女を『不思議の国のアリス』に見立てた同監督の手法、エリン・クレシダ・ウィルソンの脚本は斬新そのもの。多毛症の男・ライオネル(ロバート・ダウニーJr.)に心を奪われたダイアンの心境の変化とその後の甘美な世界をしっかりと映像化することに成功している。

タイトルの「毛皮」と「多毛症」…何やら謎々めいているが、これはシャインバーグ監督のご愛嬌(笑)。…ともあれ、後半からラストにかけての展開は、この物語をさらに魅力的、感動的なものにすることは必至。ニコール・キッドマンファンならずとも見逃せない映画である。

(文・構成 和気 洸)
  • 配給:ギャガ・コミュニケーションズ powered by ヒューマックスシネマ
  • 5月26日(土) シネマGAGA!ほか全国順次ロードショー

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